ボイスマルシェマガジン

人生お悩み相談室-ボイスマルシェのカウンセリングガイド

仕事がつらくなったとき、認知行動療法が役立つ3つの理由(後編)

   

部下がついてこない。仕事がつらい――そんな時にはどうすればいいのか? 前編に続き、「認知行動療法でストレスを減らす専門家」である心理カウンセラー上條理花さんにお話を伺います。

>前編はこちら…仕事がつらくなったとき、認知行動療法が役立つ3つの理由(前編)

 

認知行動療法では「部下がついてこない」という管理職からの相談にはどう対応する?

―編集部:
最近は経営者や管理職からも「しんどい」というお声を聞くことがあります。「部下がついてこない」「部下とのコミュニケーションが難しい」そんなお声です。とくに時代も変わり、働き方も変わり、パワハラ防止法などもあり、経営者や管理職も部下に対して気を遣うようです。「部下がついてこない」そんなご相談の時には、どんなカウンセリングセッションになるのですか?

―上條理花さん:
基本的には「仕事がつらい」というご相談と同じような流れになります。まずは「部下がついてこない」と感じる具体的な事例を伺います。どんな時に、どんな内容で、どうしてそう感じるか、ということを中心にお話を伺います。

部下を持つということはプレイヤーと大きく考え方を変えることが求められます。今までは自分がやればよかったこと、できたことを他者に任せて育てる。という人材育成の視点とテクニックが必要となるからです。プレイヤーとして優秀である人が、そのままマネージャーとして結果が出せるかというと、なかなかそうならない場合も多くあります。

この場合では、今までの自分の仕事に対する認知がどうであったのか。部下と自分の目標は同じになっているのか、部下への伝え方はどうなのか、何をしたらうまくいかないのかなどを具体的にお伺いします。部下を持つ方は、ご自身の仕事のやり方や考え方に信念を持っている場合が多いです。それはとても素晴らしいことです。その素敵で素晴らしいことが存分に発揮していただけるようにお手伝いをします。

多くの場合、ご自身の仕事の「やり方」や、「普通はこういうものだろう」という認知が働きます。それによってご自身が成果を出してきたので、この認知はとても強化されている可能性があります。

では、その認知をどうやって変化させるのか。そして、認知が変化することによって、部下への行動がどう変わるのか、ということを中心にお話を進めたいと思っています。もちろん、その中で、実はご自身が気づいていないストレスがあったり、違う心配事があったりすることも見つかります。その場合は、まずその心配事からアプローチを行います。これらを55分間のセッションの目標としてお話を伺います。

どんな悩みにも共通するのですが、一度で納得できる場合とそうでない場合があります。また、納得できたな、と感じて行動してみてもうまくいかなくなることもあります。そのような繰り返しの中で、だんだんと変化していくと考えています。ですから、なるべく定期的に他者と話をしてご自身のメンテナンスを行なっていただきたいと強く思っています。特に人を育てる立場の方や、人と接する機会が多い感情労働といわれる内容の仕事をなさっている方には、ご自身のメンタルケアは必須なのではないかと思っています。

―編集部:
「なるべく定期的に他者と話をして、自身のメンテナンスを行なう」という行動は、たしかに心身の健康につながりそうです。自分を俯瞰して客観的にみる機会にもなりますね。

 

認知行動療法は、他にどんな困りごとに活用できますか?

―編集部:
「認知行動療法の対応範囲は広い」と伺ったのですが、仕事やメンタルヘルス以外のトピックスもカバーできるそうですね。例えば恋愛なども。

―上條理花さん:
認知行動療法はさまざまな悩みに使うことができます。仕事はもちろん、プライベートでも活用をしていただきたいです。

彼氏とうまくいかない、という恋愛感情。
子育てで自分を責めてしまう、子供を叱ってしまうなどの育児。
友人とうまくいかないというコミュニケーション。
夫婦関係がうまくいかない時の修復。
片付けたいのに掃除ができないという日常生活の困りごと。
これら以外にもさまざまなことに役立つ心理療法です。

「認知行動療法」は堅苦しい名称のため、何か重大な悩みに使うのだろうなと思われがちですが、とても身近な悩みやちょっとした心配事にもとてもやさしく、おおらかに受け止めてくれる心理療法なんですよ(笑)

 

最後に 上條理花さんからのメッセージ

―編集部:最後に、この記事の読者にメッセージをお願いします。

―上條理花さん:
認知行動療法の素晴らしいところは、自分自身を受け入れることができるようになるというところです。私自身パニック障害と20年以上お付き合いをしていますが、認知行動療法によってうまくコントロールができるようになりました。また、管理職としても母としても恋人としても友人としても認知行動療法を生かして生活をしていますし、していました。

自分がしあわせであり、自分はこれでいいんだと思うことができる。そして、そのことが他者の役に立つ。こんなふうに思えるようになったのは、認知行動療法がきっかけです。多くの方に活用していただけるととても嬉しいです。

 

編集部によるまとめ…認知行動療法

今回は、“認知行動療法でストレスを減らす専門家”の上條理花さんにお話を伺いました。「認知行動療法」と聞くと、なんだかメンタル面への深刻なアプローチなのかなと身構えてしまいましたが、お話を伺って、むしろ深刻な状態になる前にこそ利用したいと感じました。いつもとは異なる不調や落ち込みを感じたら、認知行動療法を受けてみてください。カウンセラーと対話することで、きっと新たな自分に気が付くはずです。

(文:ボイスマルシェ編集部)

[記事にご協力いただいた専門家]

※お話を伺った上條理花さんについて:
心理カウンセラー/アドバイザー。事務として28年間病院で勤務、管理職と病院経営に携わる。病院でのコンフリクト相談セッション件数は延べ500件、人間関係の不安や不満に対する課題の相談セッション件数は延べ500件。女性専用カウンセリングサービス『ボイスマルシェ』にて、全国の女性たちからの相談にのっている。
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